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クラスメイトのヒロトくんは大きな一つ目でお腹にノコギリ。つのになってる両手で器用に鼻をほじくる。
ユイカちゃんは金色の体で首が三本。
おしゃべりが始まると止まらない。
みんな、お父さんお母さんにそっくりで。
みんな違う姿なのに並ぶと違和感がない。
でもお母さんはぼくと全然違う。お母さんもみんなのお母さんと並んでもなんか違う。
おうちにはお父さんの写真はない。
どんなお顔だったのかぼくは知らない。
もしかしてぼくがもっと大きくなったら、お母さんとそっくりになるのかなあ。
でも写真のお母さんは子供の頃からお母さんだもんなあ。
「どうして今日もまた『ほのおのはきかた』で怒られたのかしら!?『せいぎのどうとく』は花丸なのにね。
ちゃんとしないと、来月の誕生日に約束してた『壊して遊べる地球防衛軍セット』買ってあげないわよ!」
「えええっ!?」
お母さんはふだんは優しい。
でも学校に文句言っても仕方ないよ。ぼくが下手くそなのが悪いんだし。
でも怒ると脚を前後に開いて両手を胸の前で合わせる、カッコいいポーズでビームを出すから先生たちにも恐れられてる。
地球防衛軍セット、こわして遊びたいのに……約束したじゃないかあ。
「上級生になったら『そらのとびかた』も覚えなくちゃいけないのよ!
火を吐くのは怪獣としての必須科目。決めた、次も怒られたら家でも特訓よ!」
そんなあ。
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