モンスター・parents 9.29

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クラスメイトのヒロトくんは大きな一つ目でお腹にノコギリ。つのになってる両手で器用に鼻をほじくる。 ユイカちゃんは金色の体で首が三本。 おしゃべりが始まると止まらない。 みんな、お父さんお母さんにそっくりで。 みんな違う姿なのに並ぶと違和感がない。 でもお母さんはぼくと全然違う。 おうちにはお父さんの写真はない。 どんなお顔だったのかぼくは知らない。 もしかしてぼくがもっと大きくなったら、お母さんとそっくりになるのかなあ。 でも写真のお母さんは子供の頃からお母さんだもんなあ。 「どうして今日もまた『ほのおのはきかた』で怒られたのかしら!?『せいぎのどうとく』は花丸なのにね。 ちゃんとしないと、来月の誕生日に約束してた『壊して遊べる地球防衛軍セット』買ってあげないわよ!」 「えええっ!?」 お母さんはふだんは優しい。 でも学校に文句言っても仕方ないよ。ぼくが下手くそなのが悪いんだし。 でも怒ると脚を前後に開いて両手を胸の前で合わせる、カッコいいポーズでビームを出すから先生たちにも恐れられてる。 地球防衛軍セット、こわして遊びたいのに……約束したじゃないかあ。 「上級生になったら『そらのとびかた』も覚えなくちゃいけないのよ! 火を吐くのは怪獣としての必須科目。決めた、次も怒られたら家でも特訓よ!」 そんなあ。
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