モンスター・parents

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ぼくの口から、今までに見た事もない凄い炎が噴き出しておじさんのおうちを直撃! まるで怪獣映画みたいな大爆発に驚いて背中にしがみついたぼくに、お母さんは言った。 「タカシ。地球防衛軍セット、また買って来るからね。ごめんね」 「……ううん、いいよ」 だって、もっと素敵なプレゼントを貰ったもの。 絶対に壊れないプレゼントを。 「ぼくもいつかお母さんみたいなヒーローになれるかなあ?」 「ふふっ。決まってるじゃん! タカシは私の息子なんだから!」 また怒られたり、悩んだりもすると思う。 でももうぼくは、ただいまを言う勇気をなくさないよ。 ごめんねお母さん。ありがとう。 ……おじさん、大丈夫だったかなあ? ☆ 「あいてて……あのチビ、末恐ろしいとはこの事だな」 予想以上の破壊力だったぜ。 ……いや、これでいいのさ。なあ、フルパワマン。 さあてまた頑張ろうと気合を入れた私の背中で、懐かしい声が聞こえた。 「シルビィー、息子が世話になったな」 「おお、タカシキング!」 宇宙の果ての果てで戦っているタカシの父親。 昔は一緒に暴れまわった悪友さ。 「フォフォ、このくらい何でもないさ。この星が、宇宙が平和であるためなら、私は憎まれ役で構わない。 道を踏み外しそうな奴を救う為なら、いくらでも芝居を打つさ。 安心しろ、お前の息子は立派な正義の味方になるよ」 「フルパワマンに預けたんだ、そうじゃないと困る。シルビィー、これからもこの星をよろしく頼む……じゃあな」 平和になったとは言え、それは広い宇宙のごく一部。道を踏み外した悪い奴は今この瞬間にもどんどん現れている。タカシキングはそんな連中に正しい道を示す為に、この星から出て行った。 だからいつかあいつが「ただいま」と帰る日まで。 私は密かにこの星を守り続けるのさ。 息子にも会わずに飛び去る、あの切ない勇者の背中に誓ってね。フォフォフォ。

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