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「凛桜、大丈夫だったか?」
一樹も同じように、腕の中に愛する妻を抱きしめながら額に優しくキスをした。
凛桜はしっかりしているし、このニューヨークに詳しい蒼と一緒だから大丈夫だとは思っていたが、こうして再び自分の腕の中に抱いて改めてホッとする。
凛桜はふふっと笑いながらそんな一樹を見上げた。
「はい。蒼さんと香澄さんと一緒に楽しくお買い物や観光をして歩きました。それに途中で蒼さんの親友の薫さんに会って、彼が車であちこちへ運転してくれたんです。おかげでたくさん観光できました。一樹さんたちは今日1日男性だけで楽しめましたか?」
それを聞いた香澄は、同じように自分を抱きしめている斗真を見上げた。
「斗真さん達は今日1日何をしてたんですか?」
「あ、ああ……。その……ロックフェラーセンターに行ったり、サークルラインに乗ったり……」
「えっ?じゃあ、私達と同じ場所に行ったんですね!あ、写真見せて欲しい!」
香澄はそう言って斗真のスマホを覗き込んだ。
「わぁー、楽しそう!写真沢山撮ったんですね。3人で仲良く写ってる!」
「見せて見せて!」と凛桜と蒼もスマホを覗き込んだ。
そこにはグラウンドゼロやオキュラス、それにブルックフィールドプレイスでの写真がたくさんある。
3人で並んで歩いている、まるでどこかの雑誌のモデルのような写真や、皆でカフェでお茶をしている写真、フードドラックからピタサンドイッチを買って食べたりと、見た感じどれも楽しそうな写真ばかり。
「あー、本当だ、楽しそう!ふふっ、でもこれ、顔がちょっと引き攣ってる!」
凛桜がマンハッタンを背景にしてサークルラインで撮った男性3人の写真を見ながら笑い出す。それを見た蒼も香澄も同じように笑い出した。
「薫が沢山写真撮ってくれたのね。いいなぁ、楽しそうで」
蒼は写真を眺めながら、少し羨ましそうにした。
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