242人が本棚に入れています
本棚に追加
最初の子ども雄太が産まれ生後半年になる頃、スーツのポケットからラブホテルのレシートが出てきた。
私は彼を問い詰めた。
「これは俺の物じゃない。誰かのレシートを一緒に持って帰ってしまったんだ」
知らない香水の匂いや、深夜のタクシー帰りも全て仕事関係だと言い張った。
私は雄太を一時預かありの保育所に預けて、彼を尾行し浮気の証拠を撮影した。
それでも彼は浮気を認めなかった。
「浮気をやめてさえくれれば、私は許すから……」
「だから、浮気なんてしてない」
彼は浮気を認めなかった。
それが私のストレスになり、彼の全てが信じられなくなっていった。
食事が喉を通らなくなり、少し食べては吐いてしまうようになった。
体重が減って、女性らしい体つきではなくなっていく。
夜も眠れず、洋服や化粧にも気を配れなくなった。
肌はボロボロになり、日中ずっと泣いていた。
相談できる相手もいない。
夫に何度も浮気をやめてと頼んだ。
煩く言う私をうっとおしく感じた雄一さんは、休日も外出するようになった。
最初のコメントを投稿しよう!