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《雄一side》
先週はまるで新婚当初に戻ったように妻と体を重ねた。
今夜は早く帰れる。
妻を愛している訳ではないが、帰るのが楽しみだ。
雄太も俺に懐いている。今が一番かわいい時期なのかもしれないなと思った。
いつものように玄関を開けると、部屋の電気が消えていた。
今から帰るとラインしておいたのに、もう寝てしまったのだろうか。
雄太は俺が帰ると玄関まで走ってきて「おかえり」と言ってくれる。
息子が先に寝てしまっているのは少し寂しい。
二人を起こさないように、できるだけ静かにリビングに入ると、テーブルの上に紙が置いてあるのが見えた。
なんだと思って手に取る。
離婚届……
なんだって?
なんでだ?
弁護士事務所の名刺と封筒。
いったいどういう事だ。
美鈴に電話をかけるが繋がらない。メッセージもするが既読にならない。
部屋を見てみると、美鈴と雄太の物がすべてなくなっている。
離婚?まさか……先日妻を抱いたばかりだ。
そんな事あり得ない。
カウンターの上に美鈴のスマホが置いてあった。
電話しても無駄だという事か?
いやそんなはずはない。妻は俺を愛している。
それに、あいつは収入がない。仕事を辞めて3年だ、パートをしていると言っていたが100万程度の稼ぎでは生活できないだろう。
引っ越しか?や、賃貸でも初期費用がかかる。親しくしている友人もいないし、頼れる親族はもういない。
いったいどこへ行った。
戻ってくるだろう。
そもそも離婚なんて何故だ?まさか愛梨のことを知っているのか……
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