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「よっこらしょー!!っと。」
ハシブトガラスのバリは、蔦が幾重にも周囲に絡まり生い茂った廃屋のガラス窓が割れた木の窓から中へ入り込んだ。
バリの嘴には、何か小さなキラキラと綺羅めく小物をくわえていた。
「しめしめ・・・やっとゲットしたぞ!!」
は、嘴にくわえたキラキラと眩しく輝く物を、湿気で苔生して腐った畳の和室の一角に無造作に放り投げた。
キラッキラキラキラキラキラ・・・
その輝く小さい物体は、腐った畳を転がって部屋の隙間から放つ眩い太陽の光から反射して、部屋1面を照らした。
それは、何十カラッもする小さなダイヤモンドだった。
カラスのバリは光る物が大好きだった。
特に、このカラスのバリはこの廃屋の部屋の隅から隅まで、ガラスの破片やら何かの部品やら、カラス避けのメタリックテープやこれもカラス避けの傷だらけのCDまでも、
光輝くあらゆる物をという物をこの部屋にかき集めては、バリはそのキラキラキラキラと光輝く様をうっとりと眺めていた。
「しっかし、このキラキラする小さくて固いもの。
本当に!!これは!!究極の!!
キラキラだ!!」
このダイヤモンド一個で、部屋に銀河系が出来たように神秘的な輝きを放っていた。
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