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歩く度にバキバキと音が鳴って痛む両脚に、美桜は苛立っていた。
というのも一緒に働いている人達が、お喋りばかりでちっとも働かないのだ。
供給の合間に組み立てラインに入っている作業者からは「部品が無いから持ってきて」と言われれば、それまでの作業を一時止めて、急ぎでそれを探して取りに行ったりもしなければならない。
正直面倒臭いのだ。
だから同僚達はだらだらとお喋りしながら仕事をしているのだ。
だらだらやっていいならそうしたい。
だがそれが原因で上司から叱られるのはもっと嫌だ。
だから美桜はムキになって仕事を人一倍こなしていたのだが、、
体がもう限界だったのだ。
o,+:。☆.*・+。翌日ー
「両股関節に爆弾抱えているから、もう前みたいに仕事は出来ないです···」
美桜は少し大袈裟気味にそう上司と同僚に伝えた。
同僚の1人が言った。
「良いよ良いよ。美桜ちゃん働きすぎだもん。私達がカバーするから、美桜ちゃんはゆっくり仕事して」
「ありがとうございます」
その時はそう思えた。
コレで少しは私の苦労が分かるだろう、と内心ガッツポーズをした。
だが、同僚達は相変わらずお喋りしながらだらだらと動いている。
「製品が無くなりそうだから持ってきて」の合図の呼出音も聞こえているはずなのに、誰1人として動かない。
結局、美桜が今まで通りやるしかなかったのだ。
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