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生産数が徐々に落ちてきて、いよいよ派遣切りや、移動の話しがチラホラと同僚の間でも出てきた時、美桜は上司の佐藤清隆に呼ばれて休憩室にいた。
「足の具合はどう?」
「ーまぁ、薬で誤魔化し誤魔化しですね」
初めはそんな他愛のない話しだった。
「天笠さん、悪いんだけど来週からJ棟の方に移動してもらえるかな?」
J棟とは今いるK棟の直ぐ隣にある建物の事だ。
「J棟ですか~?」
あそこ暗いんだよなぁ···と美桜は思っていた。
正直行きたくない。が率直なところだ。
「次やってもらうのは直納だから、今より歩かないし、全然楽だよ。台車に荷物乗せて置いてくるだけ」
「そうなんですか?·····まぁ、それならー···」
歩き回らなくて良いなら正直助かる。
美桜はJ棟へ移動することにした。
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