無くした思い出

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 家に帰ると、上着を脱いでハンガーにかけた。その時ポケットから何か落ちてきた。 「ん?これは……」  ポケットティッシュだった。確か通勤途中で街頭にて配っていたのをたまたま貰い受けたものだった。なんともなしに床に落ちたそれを拾うとポケットに戻そうとした。その時、たいした理由もなくそいつに描かれた絵を見た。  衝撃が身体を走り抜ける。  記憶の底から何かが飛び出してくるのだ。  俺は、いや僕はこの絵をよく知っていた。
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