山はいつ見えるかな

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「いつまで経っても山が見えないね」  弟が言う。 「ええ、このままだと日が暮れてしまうわね」  妹も言う。 「ねえ、お兄ちゃん。いつになったら山が見えるの?」  妹がこちらを見てため息を吐く。 「……」  二人の言葉に、今回はボツだなと感じた俺は書きかけていた原稿たちをまたポイポイポイッとゴミ箱に放り込む。  そこにはぐちゃぐちゃになった原稿用紙の山が見え始めていた。
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