3/9
前へ
/124ページ
次へ
 と書かれた段ボールが貼りつけられていたから。  結局どのコーナーの彼女たちも、表情、ポーズこそ違え、すべて同じ女性(ひと)だった。  お代は……。悩んだ。  黒幕の向うにおそらくいる小屋のスタッフに見られるのは、恥ずかしかった。なにしろ制服姿の女子高生。そして上気しているであろう(おもて)も、隠せないのではないか……。  でも―――一度逢うだけの人だし、顔は伏せていれば……。  自らにかけたけど、それでも出口への足はどうしても動かず……。  だから、  御出口は此の裏―――。  のあとの、  ―――御気に召さなかった場合は、そのまま入口より御帰り下さい。  の言葉に、結果、甘えさせてもらった。  そうそうに湿ったスカートの下は、最後のふたりを見る以前から大部分を浸潤させていた。かといって、替えを持ってきているわけでもない。  家までの不快感は我慢するしかなかった。  自室の鍵をかけると、右手はすぐに、粘液まみれの茂みをかきわけた。『つり橋』をまねた形で―――。  途端、 「アアァ!」  ビクンッと半身が反ると同時に、思わず声を洩らした。  いつもより、遥かに大きな快感。  咄嗟に、脱ぎ捨てた下着をまるめて咥えた。 “このとき”の習慣だから、ためらいなどあるはずもない。  すっかり重さを持っていた綿製は、鼻孔を普段よりも濃厚な汗臭と淫臭で衝き、やはり高密度の、しょっぱさ、酸っぱさのエキスで、口内を襲った。  わたし……こんな臭い……こんな不味い……。  はじめて経験する臭気と味のもたらす羞恥が、興奮に拍車をかけた。  二指を内部に侵入させた。  下着は、うまいことあえぎをこもらせる。  内壁をゆっくりとさすった。 “オオオォ……!”  今わたし、彼女たちと同じように、快楽に歪んだ顔をしているの……?  口のつめ物を噛み締めながら思うと、手の動きは自ずと速度を増した。  荒い息遣いと、両の足の間が立てる淫らな音の競演が、躰をさらにうねらせた。  合体した彼女たち……いったいなにでつながっていたんだろう……。  快楽で霞む脳内が、それでも想像をわかせると、普段の人差し指と中指に、薬指が添えられた。 “ハアアアァ……”  裂けるぅ……! でもいいのぉ……!  痛みもが昂揚を後押しし、虐げは続いた。
/124ページ

最初のコメントを投稿しよう!

37人が本棚に入れています
本棚に追加