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私に対する生徒たちの評価は耳に入っている。しかしそうであっても、自分に向ける彼女と同じ目を、過去幾度も受けた。そして、想いを告げられたのは二人三人ではない。それでも交際することはなかった。
告白者の中には、男子生徒たちの目を惹いて憚らないほどの美女もいた。だが、私の食指は動かなかった。
私が相手に求めるものは「美」ではなく、「異」であった。
見返りは用意してある。ただ、そんなものがなくとも、あの視線は私の申入れに必ず応じる。
須田偉瑠。―――彼女を異形につくり変える。
あおったスコッチが心地よく喉を焼いた。
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