【愛友・2】

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 ともかくも、この決定は、わたしが用済みになったことを示すものなのでしょうか。  二本のワインボトルが空になると、ご主人さまにうながされるまま、彼女は服を脱ぎました。このときは、さすがに恥ずかしそうなようすが見えました。  リビングに彼女を通さなかったのは、すぐさま製作を始めるためだったようです。だからご主人さまは、たしなむ程度だったのでしょう。逆に彼女はずいぶんと飲んでいました。  製作を手伝ってほしいといわれてやってきたのに……。  と、ご主人さまに劣らずの酒豪のような彼女に、批判めいた気持ちも浮かびましたが、むろん、わたしに口出しする資格も方法もありません。  モデルとまではいきませんが、彼女は綺麗なプロポーションでした。  下着にはセクシー色が窺えました。彼女の顔形にしては、ちょっと背伸びをしているような感じのするものでした。  彼女は今日、ご主人さまに抱かれる期待も持ち、やってきたのでしょうか。  であれば、製作技術を磨いたご主人さまです。その願望は、数時間後には叶うのかもしれません。 「さあ、下着をとって」  ご主人さまのソフトな声に、彼女は従いました。  大きくも小さくもない膨らみの頂点は、綺麗な赤色を若干上向かせています。  綺麗に整えられたおへその下は、やはり抱かれることを期待していたようです。  ご主人さまの指し示した先へゆく彼女の締まったでん部も、よい形でした。 「ほんの少し冷たさを感じるかもしれないが、痛みはほとんどないから安心してほしい」 「逆に気持ちがよくなってしまうかもしれないが、それでも、なるべく躰をよじったり反ったりしないように」 「ただ、声が出てしまったら出てしまったで、構わない」  部屋の隅にある簡易ベッドに仰向けになった彼女へ、ご主人さまは優しく語りかけました。わたしにはなかった気づかいでした。  わたしがさんざん寝かされたそこは、ご主人さまと彼女が向かい合っていたテーブルのすぐ脇にあります。だから、眺めづらいということはまったくありませんでした。  ベッドの頭のパイプをしっかりつかんでいるように―――。  いわれるがままにした彼女の脇の下も、処理に抜かりはありません。
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