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今日もそれ以上なにもいわず、スウィングドアの向こうに消えた彼女の応対はありがたかった。
レモンの浮かんだ琥珀色の液体を見つめながら、思考を戻した。
お嬢さまのお気持ちが自害へ傾いてしまった原因は、まぎれもなくわたしにある。だから本当の母親である奥さまがいらっしゃらない今、お嬢さまをしっかりお守りするのがわたしの使命。この命が尽きるまでの。
あの事故さえなかったなら……。
とにかくも、そのためには、暇が出される本当の理由を突きとめること―――。
どうすれば……。
そこに答えが隠れているわけでもないのに、視線は氷の隙間からしばらく剥がれなかった。
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