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〈変ニャ葉っぱとか薬とか。だってお手伝いがいる家のお嬢さまニャんしょ? どうせ金持ちだろうから、そんなもんいくらでも手に入るんでニャいかい?〉
〈金持ちには、変な輩がくっついてくるっていうのがセオリー〉
〈でもって、そこから乱交なんかが始まっちゃって―――もしかしたらお嬢さま、堕胎のくり返しだったりして〉
背高帽の自信満々なふうの発言に、いたって楽しげにアリスが乗る。
〈そしていずれ、心身ともに崩壊を迎え、廃人に、か〉
〈お金がありすぎるっていうもの、考えものですわね~〉
〈でも、来客があった気配はないっていってたよ〉
『やめなさいよ、妙な憶測』
〈あら、意外と的を射ていると思うのですけれども〉
〈自殺願望をもよおさせる事故というのも、なかなかおつな謎よな〉
白兎の声音には、明らかにワクワク感が滲んでいた。
〈なんじゃらほいネ〉
〈相当なアクシデントであるっちゅうことは、間違いニャいんでニャいかい?〉
鼠と縞猫が呼応する。
人形たちの声が聞こえるようになったのは、彼らの製作を終え、すべてを店内へ飾ってからすぐのことだった。
〈やっとそろった〉
それがはじめて入り込んできた台詞。
空耳。―――もちろん疑った。
しかし人形たちの会話は、まるで今まで溜めこんでいた想いを発散するように、途切れなかった。
その中には、私に向けられる言葉もあり―――、
〈ずいぶん待ったでニャんすよ〉
〈あたしの衣装、ちょっと子どもっぽくない?〉
〈わたくしのメイクは気に入っておりますわ~〉
〈この帽子、ぴったりフィットで、よろしい〉
〈オレ、もうちょい細かったらよかったんだけどネ〉
〈とりあえず生んでくれて、ど~も〉
などなど。
パニクった。
私、おかしくなった!?―――当然の思考。
「疲れてる」―――いい聞かせた。なにせ相当な期間、閉店後の時間のほとんどを、人形たちの製作に費やしていたのだから。
すぐに二階へあがり、休憩用のベッドに横になった。
―――思った通りだった。人形たちの声はまったく聞こえなくなった。
根をつめたら躰に支障をきたす。わかっていたものの、若さが乗りきれさせると思っていた。
過信―――をすぐさま反省した。
もしこんな生活を続ければ、とり返しのつかないことになるかもしれない。まどろみながら戒めていた。
しかし―――、
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