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現に私の脳内は意図せず、同性同士の嬌声、悶え、呻き、といった淫らな音の反響を生んでおり、また、ポーズの淫らさを助長している電灯による陰影が、
男女でなければ、では、彼女らはなにによってつながっているのか……。
下世話な、しかし、興味深くもある想像をわかせもしていた。
―――しばし刻を忘れていた意識を動かした。
今の立ち位置からの真横に、また暗幕が同じようにさがっている。いわゆる、この二体のための目隠しとは、テント内で左右対称の位置関係となっている。
その幕の向うにも、おそらく展示物があるのでは……。
期待に満ちた思いで、新たなコーナーへまわり込んだ。
『抱き上げ』―――後背位系。
女性同士での景色であることは同じだった。そして、こっちの二体の顔も、お隣とまったく一緒。
とはいえ、私の興奮は衰えるどころかさらに増し、観察できる範囲内、くまなく視線を這わせた。
今にも蠢きだし、淫猥な音をあげそうな彼女たちに、はたしてモデルはいるのだろうか……。
これほどの美顔に、艶かしいプロポーション。実在ははなはだ疑問。だが―――できることなら逢ってみたい。
その後『立ち松葉』『燕返し』『宝船』と、展示作品は目隠し幕とともに、右左右左、テント内に並んでいた。
入口からすべてを一気に眺められないよう……。という、これはおそらく工夫だったのではないか。
展示作が全部で五つとわかったのは、『宝船』から外した目に入った文字だった。
「御出口は此の裏。御気に召さなかった場合は、そのまま入口より御帰り下さい」―――横の暗幕に貼られた段ボールが知らせていた。
これには面食らった。
“見てのお帰り”とはいえ、どうせ払うシステムになっているのだろう。でなければ商売はやっていけない。―――と思っていたから。
ならば、幕の向う側には小屋のスタッフがいるのだろうか。
が、気配は……。
ともすれば躰をおかしくしてしまいそうなアクロバティックな結合体勢は、ともかくも、充分に私の脳髄を刺激し、歓楽の世界に自ずと逗留させた。
それは“お気に召した”ことを、しかと意味するのではないか……。
それに、このご時世、なかなか見られない心意気にも感心する。
私の背は、やってきたほうへ向いた。
だが―――、
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