飯嶌貴利はレモネード男子

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「ね、飯嶌君。大学の友達がヒロマカの話ししてるなら飯嶌君もヒロマカ観てみたら?」 「はぁ?」 「とりあえず、ウエハース買うとこからスタートしてみるのもありかもよ!あっ ほら ちょうど今 私 ヒロマカのウエハース持ってるからこれ買いなさいよ!ほらほら!」 幻のウエハースを手放すのはめちゃくちゃ惜しい気もしなくはないどころか凄い悔しいけどヒロマカ好きが増えてくれるなら何てこたぁない!! え〜……!? と ちょっと困った顔(※実際は嫌そうな顔)してる飯嶌に無理矢理ウエハースを握らせると そのままぐいぐい背中を押してレジまで引っ張ってった。 「マジで買うの?」 「良いじゃん!カード集め楽しんだから!趣味増やすのって資格取得と同じくらい人生にプラスになる事だってこの前テレビで行ってたし!」 「マジかよ…」 怪訝な顔しながらレジでヒロマカのウエハースを買うなり飯嶌は店のシールが貼られた手の中にあるウエハース見つめて溜め息ついた。 「…まさかこの俺がアニメ系のお菓子買う日が来るなんて…」 「さぁさ開けた開けた!中身は何かしらね?ほらもう わくわく するでしょ?」 「しねぇっスよ」飯嶌はぺりぺりっとウエハースを開封し始めた。 まぁどうせあまり物だしウエハース初心者の一発目はノーマルカードがお決まりよね。 「ふんぬふ〜ん♪」 にこやかに鼻歌なんか歌いながら ちらっと飯嶌が取り出したカードを見るとキラキラしていた。私の目は漫画みたいに ばびょーんっ! と飛び出した。 「へぇ〜、ウエハースのカードってこんなめっちゃしっかりした本格的な作りになってんですね。すげぇキラキラしてる!こりゃ子供とか欲しくなるのも分からなくないっスね!……あれっ 下田さんどうしたんですか?おーい?」 飛び出した目も空いた口もどっちもしばらく元に戻らなかった。 飯嶌が引いたカードは私がずっと欲しすぎるがあまり恋までしていたパクとなっちゃんが背中合わせになったスーパーウルトラレアだったからだった。 「……いっ 飯嶌君っ!それ私に寄越せっ!!」 おわり
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