飯嶌貴利はレモネード男子

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「とっ とにかく万引きしようなんてこれっぽっちもしてませんから!はい、コレお金!」 「レジで払って下さい」 「そりゃそうだ!」 確かにそうだ。何で今 私この人に金渡したんだろ?馬鹿じゃん私。 ますます私の事を怪しそうに見下ろしてる飯嶌から逃げるようにレジに向かって猛ダッシュすると、運悪く何も無いとこで躓いて激しく転んだ。ついでに側に積まれてあったワンタン麺のカップラーメンが ガラガラガラガラッ!! と崩れて 見事私はどっかの漫画みたいにカップ麺に埋もれて死んだ。いや本当に死んでないけど。 「ちょっとお客さんっ!!さっきから何なんですか!?まったくもう!!」 大丈夫ですか!?怪我ないですか!?と心配してくれないのは私が叔母さんだからか? 「聞いてんですか!?」 「大変申し訳ありませんでした」 「本当ですよ!こんにゃろがっ!!」 文句まで言われた。 誰からの手助けもなく 最近よく痛い腰を庇いながら よろよろ 一人で立ち上がると「ちゃんと拾えよ!」と命令まで出された。しかもついにタメ口だ。
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