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教室で、クラスメイトからゴミを投げつけられながら日奈は小さく口元だけで嗤う。
彼女はもう限界だった。
明るい、いい子に戻る事は出来ない。
いい子で正直だった日奈は、みんなから嫌われる悪役にされた。
嫉妬に駆られた嘘つきの月奈は、誰からも愛される少女になった。
ならば月奈のように演じれば良いのだ。
嘘をついて、嘘を重ねて、嘘の中で生きれば良い。
頭の中で軋んでいた日奈の理性の箍が、パキンと儚い音を立てて壊れた。
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