帰りたい家

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「はぁ、今日も可愛い。美味しそう」 私は見事なお弁当をスマホで撮影し、「お弁当」というアルバムに保存した。 こうやって毎日愛しい旦那と娘が作ってくれるお弁当を写真に収めている。 頑張って作ってくれているのが分かる。最初の頃の写真と比べると成長も見えてさらに我が子の愛らしさが増すのだ。 旦那が傍にいてくれることは分かっているけれど、ケガをしていないかと心配になることもある。 最初の頃なんて手は切り傷だらけだったもの。あの子は私に似て少し不器用なところがある。だけど、頑張り屋なところもきっと私に似た。 自分のやりたいことに真っ直ぐになれる娘を誇らしく思う。 それをサポートしてくれる旦那にも感謝しかない。 娘のことも私のことも支えてくれる。本当にいい人を選んだと我ながら思う。 「……はぁ、早く帰りたい」 一分一秒でも早く愛しい人たちが待つ家に帰りたい。 出迎えてくれる2人を抱きしめたい。 額にキスをして、今日も可愛らしいお弁当をありがとうと言うんだ。 「帰りたいよぉ……」 あまりの帰りたさに涙が出てきた。
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