0人が本棚に入れています
本棚に追加
ーー
「ただいまぁ!」
「あ、ママ! おかえりなさい!」
「おかえり、友里」
家に帰れば、仲良くソファーに並んで座っていた旦那と娘が出迎えてくれた。
ついているテレビは歌番組だ。きっと気になるアーティストが出る日なのだろう。
「ただいまぁ。今日もお弁当可愛いうえに美味しかったよ!」
「えへへ! 今日の晩ご飯もパパと作ったよ」
「えぇ~楽しみ!」
「早く食べよ! ママ早く手洗ってきて!」
「はいはぁい」
私はいそいそと手を洗いに行き、ダイニングに戻る。
帰ったら大好きな家族がいて、お昼にも美味しいお弁当が食べられる。
私はこれからもこの家に帰ってきたい。
「ステーキ焼いたの? がっつりお肉! 美味しそ~う!」
「サラダも食べないとだめだよ、ママ!」
「分かってるよぅ」
「美柑こそ、ちゃんとニンジンも食べるんだぞ?」
「……た、食べれるもん」
料理が好きと、苦手な食べ物があるのは別物。
それでも娘は真っ先に嫌いなものを口に入れた。
心底嫌そうな顔でニンジンを食べている。
「お、えら~い!」
「よく食べたな、偉いぞ」
頑張った娘を盛大に褒める。
「こ、これくらい余裕だもん!」
強がる娘に愛おしさがこみ上げる。
3人でいられる時間が私の癒しで、この時間があるから私は明日も頑張れる。
了
最初のコメントを投稿しよう!