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そして、やたらに僕に対してのリスペクトが厚い。
「鵜川さんのお陰です」とか「鵜川さんがいなかったら、どうなっていたやら」とか「鵜川さん、お世話になってます」と言いながら、さっき「お礼をさせてください」と言われた気がする。
気のせい……かもしれない。その後の斎藤は眉を顰めてパソコン画面をガン見していた。その日は、いつもの絡みも何もなく終わった。
次の日も同じ態度……
気のせいだったと思ったら、その次の日に『お礼をさせてください』とラインが来た。
お礼の食事だと?それはマズいんじゃないかと僕は思った。仮にも僕には結婚を考えている彼女がいる。他の女性と二人で食事するなんて彼女に対する裏切りだ……そこまで、考えて斎藤という女はバカで距離感が少し変だということに気が付いた。それは、総務の皆が言っている。
あの子は頭が弱いから、そんなに深く考えていないのかも知れない。
それを変な意味に捉える自分がバカに思えた。まぁ……ランチならいいだろうと思った。行くなら土日しかない。会社の周りには碌なレストランが無いし、会社の周りで斎藤と二人でウロチョロするのは最悪だ。
なんだか、嫌な宿題を押し付けられたようで早く済ませてしまいたいと思った。3日ほど考えたが、返事をした。
早く済ませたいが先行して午前中に斎藤と会い、午後から未来と会うことになってしまった。未来の予定は鉄板で第2週と第4週の土日がデートになっていた。
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