2、付き合って5年

2/4
前へ
/99ページ
次へ
 付き合い始めの頃の未来(みく)は、中々僕の事を信用してくれなかった。未来(みく)は、少し容姿コンプレックスを持っていた。  僕は、1カ月の新入社員研修で、未来(みく)に、もう殆ど一目ぼれをしてしまった。いつもドライな態度で僕に当たっていた未来(みく)に僕は猛アプローチを仕掛けた。  食事に誘った。断られても断られても誘った。  僕は、イケメンを掠っているかな程度の顔で一言でいえば「無個性な男」だ。身長も平均の171㎝。中肉中背。そして、性格は兎に角、融通が利かない。コレのお陰で、高校時代から、付き合っても振られるを繰り返して来た。    僕に今時の女子が求めるようなサービス精神は皆無だ。だから、エスコートが何のかんの、デートのセッティングがダサいとか言う「スレた女」は大嫌いだ。そういう女の子は僕の方からお別れした。  未来(みく)は、理性的で感情に振り回されない。 そこが一番、気に入った。そういう女性は、心が自立している。未来(みく)は、いつも自分の都合優先だ。 「仕事があるから、また今度ね」  絶対に自分が優先で、最初から僕を優先にすることは無かった。  5回は食事に誘ったら、やっと応じてくれた。 僕の社会人最初の1年は、仕事に慣れることと未来(みく)と恋人同士になるための年だった。その年のクリスマスにやっと彼女とという関係になれた。
/99ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加