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付き合い始めの頃の未来は、中々僕の事を信用してくれなかった。未来は、少し容姿コンプレックスを持っていた。
僕は、1カ月の新入社員研修で、未来に、もう殆ど一目ぼれをしてしまった。いつもドライな態度で僕に当たっていた未来に僕は猛アプローチを仕掛けた。
食事に誘った。断られても断られても誘った。
僕は、イケメンを掠っているかな程度の顔で一言でいえば「無個性な男」だ。身長も平均の171㎝。中肉中背。そして、性格は兎に角、融通が利かない。コレのお陰で、高校時代から、付き合っても振られるを繰り返して来た。
僕に今時の女子が求めるようなサービス精神は皆無だ。だから、エスコートが何のかんの、デートのセッティングがダサいとか言う「スレた女」は大嫌いだ。そういう女の子は僕の方からお別れした。
未来は、理性的で感情に振り回されない。
そこが一番、気に入った。そういう女性は、心が自立している。未来は、いつも自分の都合優先だ。
「仕事があるから、また今度ね」
絶対に自分が優先で、最初から僕を優先にすることは無かった。
5回は食事に誘ったら、やっと応じてくれた。
僕の社会人最初の1年は、仕事に慣れることと未来と恋人同士になるための年だった。その年のクリスマスにやっと彼女とつきあっているという関係になれた。
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