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劉邦「嬴政みたいになりたい…!」
昼間から浴びるように酒を呑み、
恋に現を抜かしている東方に住まう農家の長男坊が憧れている嬴政もまた…
嬴政「あの愚か者を何とかせよ!」
異母弟である成憍の起こした反乱に対して頭を抱えていたのでした。
呂不韋「しかし…如何なる理由で反乱を起こされたかも分からぬ状態では…何をどうすれば良いのか分かりませぬ…」
呂不韋は…不敵な笑みを浮かべてはおりましたが黒幕に関しては…
昌文君「あなたが全てを動かしたのではないのでしょうか?」
昌文君も怪しんでいるように…
黒幕としてその動向が怪しまれたのはやはり…
呂不韋「…成憍様と私はそれ程近しい存在ではありませんが…」
呂不韋ではありましたが、
表立って動こうとはしないのが…
この男でございました。
麗櫻「成憍様、どうして…
謀反などお考えになったのでございますか?」
麗櫻は呂不韋の寵姫である舞妓の1人で趙姫こと趙蘡の跡を継いで美姫となった女性ではありましたが…
成憍「麗櫻が呂不韋との縁が切れておらず私を誑かそうとしているのではないのか…?と言う輩がいてな…」
麗櫻「お疑いになるのですか?
私は成憍様しかお慕いしておりませぬ…」
麗櫻の裏切りを…秘かに疑っていた成憍ではありましたが麗櫻は今にも泣き出しそうな顔をしておりました。
成憍「…済まない…。少しでもそなたを疑った自らの未熟さに対して嫌気が差してしまった…」
成憍の第1夫人である麗櫻は
実のところ呂不韋の愛人になる前は、名前しか知られてないくらいの存在でございました。
麗櫻「しかし…成憍様、
このところ不思議な現象が起きておりませんか?」
麗櫻が首を傾げているのは、
自分を含めて和名しか知られてない出自不明の女性が複数名確認されている事でございました。
成憍「異母兄に仕えている…楊端和も確か和名しか知られてない出自不明の女性を妻にしていると聞いてはいるが…。風の便りでな…」
楊端和と羌廆、2人の男性から求婚を受けている紫衣華もまた…麗櫻の存在を2人から聞いてはいましたが…
紫衣華「麗櫻様?いいえ…存じ上げてはおりませんが…王弟の第1夫人との交流などあるはずがありませぬ…」
桓騎「…何事だ?瑠麗が怯えているではないか?」
秦国には不思議なくらい和名を持った女性が存在しておりました。
王翦「和名を持った出自不明な女性と申すなら我が妻である優李もであるな…」
優李は王翦の妻でもあり
王賁の母親でもありました。
それと…
珠姫「王家の人間として誇りを持って貰えるような女性にならなければなりませんわ。」
王珠…字は珠姫。
王賁の妹ではありますが、
王家の人間にしては珍しく字が和名となっておりました。
王翦「珠姫の名前は…妻の優李が妙に拘りが強くて譲ろうとしなかったのだが王家の者としては初めての和名を持つ者となったのだ…」
和名の人間がそれなりに存在しており
歴史は少しずつ変わろうとしていたのでございます。
李信「成憍に付く方が良いのかも知れないなぁ…。梨花はどう思う?」
李信の夫人である梨花も和名を持っておりなんとその姉は成憍の第1夫人だったのでございます。
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