第2話

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 ふぅ。よく寝た。メディカルボックスで半日寝て、痛みはだいぶ収まった。肋骨3本にヒビが入っていた。折れてなくてよかった。1週間は安静と言われたが、こんなのすぐに治してやる。先生にも母さんにも剣の稽古と言うと信じてくれた。先生は呆れて、母さんは怒っていたが。稽古の相手はカイトだと思っているようだ。名前は出してないのだが疑われているようだ。悪いなカイト……。 家に帰り着くとカイトとランが待っていた。 「大丈夫か?」 「どうだった?」 オレの顔を見るなり同時にしゃべり出し、声が重なる。 「肋骨にヒビが入ってた。まぁ折れてなくてよかったよ。すぐ治るさ」 「明日は研修だよね。しばらく休むの?」 ランが不安そうな顔をしている。 「いや行くよ。ルート騎士団のロールは楽しみでたまらない」 「大丈夫なのか?昨日のこと、マスターソフィア様から騎士団に伝わってるんじゃないのか?そしたら色々と聞かれるだろう」 沈黙が流れる。昨日のことを口するとマザーに聞かれるようで気が気じゃない。 「昨日のこと、一旦忘れない?いつもと同じようにファルマーとカイトが剣で遊んでいたってことで」 「遊んでるわけじゃない!」 「遊びじゃないよ」 今度はオレとファルマーの声が重なる。思わず笑いがこぼれる。 「そうだな。遊んでたってことにしよう」 3人で顔を見合わせて、笑顔で頷いた。 「ファルマー、研修に行くのはいいけど無理はしないでね。ちゃんと怪我してるって言うんだよ」 「わかってるよ」 ランは母さんのようだな。いや母さんよりも口うるさいかもしれない。本当は明日の研修は剣術の試合なのだが、心配かけないよう伏せておくことにしよう。 「じゃあ、また明日。無理はしないでよ」 最後に念を押して帰って行った。明日が剣術の試合ってこと言わなくてよかった。
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