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シェイカー
Barには、人が集まる。
自宅のBarに人は集まらない。
けれども、酒瓶を集めることになる。
シェイカーを買い、自宅でBarを開店させると、いつのまにか、酒の瓶がタケノコのようにはえてくる。
あるひとりの男の行動を見てみよう。
おれは趣味をもたない。
家と仕事場を往復する毎日。
趣味は、家でウィスキーや焼酎を飲みながら、動画をみたり、ネットサーフィンしたりすることだろうか。
ある日のこと、家のこまごまとした消耗品を買いに100均によった。
生活に必要な消耗品を買い物にカゴにいれたあと、なにをするともなく、100均の店のなかをブラブラ歩いてた。
興味がわいた商品を手にとっては、棚にもどしながら、歩いていると、銀色に輝く商品が目に飛びこんできた。
映画やドラマなどの酒場でバーテンダーが、軽やかでリズミカルな音をたてる調理器具のシェイカーが売られている。
100円でシェイカーが買えるのかとビックリさせられた。
シェイカーを手にとってみると、想像よりも軽く、そして、ちいさいように感じられた。
それでも、Barで見るのとおなじ構造だった。
氷やお酒をいれられるように、中央あたりで分離でき、かわいらしい銀のフタもついてきている。
そして、お酒をそそぎいれる場所は、氷が飛びでないように8つほどの穴があいており、お酒だけをコップにそそげるようになっている。
重厚感はないが、それでもしっかりとBarなどの店でみるシェイカーとおなじ形をしている。
お値段は300円だった。
300円であれば、シェイカーをつかわなくなり、ホコリをかぶらせたとしてもフトコロはあまり痛まない。
ひとつ試しに買ってみるか。
こうして、ひとりの男は自宅Barの魅力にどっぷりとはまりこむ。
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