苦しいだけの愛なんだ〜婚約者の御曹司に執着されていたなんて別れを切り出すまで知りませんでした〜

オメガ

「ヒートがくる予定の周期書き込んで。この期間は俺が付き合うから、予定日の三日前から終わるまで俺の家に泊まること」
「え……？」
「毎週月曜と金曜は、今日みたいな感じで定期報告も兼ねて一緒に食事するから予定入れないで。その日以外でも体調に変化があったらすぐ俺に報告。いい？」

　返事は？　と促され、思わず「はい」と口から零した。
　本当は色々と順番がおかしいのでは？　と言いたいところだが、婚約したことに了承したのは私だし、そういうものなのかもしれない。

　次のヒートが初めてセックスする日になるのかと思うと、なんだか身が引き締まる思いだ。
　それまでに数回は一緒に食事する機会もあるみたいだし、少しでも距離を縮めて初めてを迎えられたらいいな。
　そんなことを思いながら食事を終え、次に会う約束を交わす。

　そのあとはそのまま家に送ってもらい、おやすみの一言と共に東条は帰っていった。
　あまりにもあっさりとした解散に、なぜだか少しだけ胸が痛んだ。