初めてのヒート

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 気持ちなんてなくっても行為自体は気持ち良くて、そのことがまた嫌になる。  愛なんてなくてもいいのだと、ただ性的接触さえあれば満足できるのだと、自分で認めてしまっているみたいだ。 「あ……イク、イクの……っそれ、またイッて、っる!」  イクどころか、盛大に潮を吹いてしまったのは一体何回目だろうか。  新品のベッドが、真新しいシーツが、由莉の体液を吸ってどんどん重くなっていく。 「あ、指もうやだぁ……! ちゃんと欲しい、終わらないも、これやだ、おねがい……!」 「満足すれば終わるんじゃないの? こんなにイッて、まだ足りない?」  一人でも耐えていればヒートは終わる。気持ち良い事をして欲を発散すれば、確かに少しはマシになる。  だけど私は、抑制剤を飲まないヒートは今日が初めての経験なのだ。  いつ終わるのか、どのくらい達したらマシになるのか。今までの経験からは、それが全く予想できない。  唯一予想できることは、アルファの精液で満たしてもらえば、多少は早くヒートが落ち着くという事ぐらいだ。 「っう、あ……指、足りない……も、ちゃんと奥、満たしてほし、っひン」 「こんなにイッてるのに? 指で足りない?」  淫乱みたいで恥ずかしいけど、事実なのだから仕方ない。  こくこくと必死に首を縦に振ると、「奥ね……」と東条が小さく呟く。 「次、ちゃんと用意しとく。今回はこれで我慢して」 「え……っひ、ぃあ、っあ……! そんなのだめ! しちゃやっ、んんっ……! あ、っあああぁ!」  体勢が変わり、ぐちゃぐちゃに濡れたソコに東条の顔が近付く。  ナカに入っている指の本数も増やされ、三本の指がバラバラと内壁を刺激するように動かされた。  それと同時にぷっくり大きくなった陰核を吸われ、由莉は足を痙攣させながら一際大きな嬌声を漏らす。  用意なんて何も要らない。  ただ東条さんが挿れてくれたらいいだけなのに。  そう言いたいのに、更に激しくなった責め方に、由莉は口から嬌声を漏らす事しかできなかった。
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