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何度もエッチなことをして、疲れたら気絶するように眠って、起きたら体力を回復するために軽く食事を摂り、そのあと耐えられなくなったらまたエッチなことをする。
日が経つに連れて少しずつヒートの症状は収まっていったけれど、痴態を晒している恥ずかしさから由莉はまともに東条と話せなかったし、東条もすぐに自室に籠ってしまって、行為中以外、二人の間に殆ど会話はなかった。
本当に、動物みたいだと泣きたくなる。
三大欲求を満たすことしかできないなんて、そんなのまともな人間がする生活じゃない。
こんな状態を東条に見られ、付き合わせ、どんどん嫌われていっているであろう現状に、由莉はただ胸が痛くなった。
行為の最中、何回のごめんなさいを口にしたか分からない。
ヒート中に外に出るなんて危ないからできないけれど、今回のヒートが終わったら自分からハッキリ東条に伝えよう。
こんなことに付き合わせてごめんなさいと。
今後は自分でどうにかするから気にしないで欲しいと。
その後、この婚約をどうするのかは東条が決めればいい。
東条の両親に話を通す必要もあるだろうし、私のことは気にしないでと言えばもう十分だ。
番に選んでもらえなかったなと、そう考えた瞬間に、無意識のうちに涙が落ちた。
なんだか、初恋が終わってしまった気分。
ずっと付けたままの首輪がやけに重く感じて、思わず金具の部分を強く引っ掻いた。
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