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婚姻関係
婚約して初めてのヒートを迎えてから、早いものでもう二年が経った。
仕事にも慣れて後輩だって出来たが、由莉と東条の関係は相変わらずである。
二年の間に大きく変わったことはなく、未だに一度も東条のモノを挿れられたことなんて無いし、最中にキスさえされた記憶がない。
一番汚いところを舐めてはくれるのに、キスは嫌がるのだから悲しくなる。
嫌なら全部やめてしまえばいいのにと思うこともあるけれど、この歪な婚約関係は今でも変わらず続いていた。
近況報告を兼ねた週二回の食事は今でも欠かさず行われているし、ヒート期間は東条の家で過ごす。
ヒートの時に挿れてもらえるのは変わらず玩具と指くらいだが、その扱いに慣れてしまったのか、最初の時ほど東条を求めるような疼きは少なくなった。
いつか我慢ができなくなって、東条の服を無理矢理剥ぎ取り、そのまま自分から上に乗って襲うような真似をしたらどうしようと不安だったから、これは確実に良い変化だと思う。
小さな変化に付け加えると、行為中だけは「東条さん」ではなく「隆一さん」と呼ぶようになった。
外で会う時は相変わらず「東条さん」なのだが、ヒート中は勝手にそう口にするようになってしまったのだから仕方ない。
媚びているようで恥ずかしいのだけど、東条が嫌がらないのでヒート中だけ甘えさせてもらっている。
しかし、これは悪い変化だ。甘えていい関係じゃないのだから、こんな馴れ馴れしい呼び方は本当ならするべきではない。
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