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結局、甘やかしてもらったと思えたのは最初の数分だけ。
今回のヒートもいつもと同じ、三日間ずっと、ただ玩具で責められるだけの行為だった。
そのことに文句を言うつもりはないし、言ったところで仕方がないのも分かっている。
むしろ誕生日に用意してくれたものを半分以上駄目にしてごめんなさいと、謝らなければいけないのは私の方なのだ。挿れて欲しいと伝えたのに受け入れてもらえなかったことを、いつまでもいじけていたって仕方ない。
それでも、気が緩むと本音が出そうになる。
好きだって言って、番にして欲しいと縋って、東条さんだけのオメガになりたいと思ってしまう。
そんな風に、彼を困らせる事ばかりしたがる自分が歯痒い。
東条がこうするのは仕事の一環のようなものだからと、少しでも気持ちがあったら一度くらいセックスしてるはずでしょうと、いくら自分に言い聞かせても、大事にされる度に勘違いしそうになる。
少しは恋人みたいに思ってくれているんじゃないかって、妄想でしかない願望に溺れそうになってしまう。
だけど、そんな浮かれた脳みそも、ヒートが終わった瞬間に一気に冷静になるのだけど。
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