プロローグ

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プロローグ

 発情期があるという要素一つだけでも、普通の人間と比べてオメガが劣っていることが分かる。  まるで動物みたい。みっともなくて恥ずかしい。  性欲が強い程度ならまだマシだったのに、オメガの発情期というものは近くにいる他人を巻き込んでしまう危険性があるのだから、本当に救いようがない。  沢山の人を巻き込んで迷惑をかけるか、付き合ってくれる優しい一人にだけ迷惑をかけるか。  どちらにしても、誰かに不快な思いをさせてしまう事は変わらないのだ。  それがオメガという生き物。浅ましくて嫌になる。  でも、そんな自身に対する嫌悪感も、いざ発情期に突入すると分からなくなってしまうのだけど。
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