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*《眠い》
深夜0時となった。満月の頃合いに見張りの番は終了となる。健康優良児の河南は顔に手を当てた。
「ふわぁ~、ねみぃ。おい、帰るぞ」
「えー、まだ居ようぜ。月、奇麗だしよ」
「はぁ?」
煙草を燻らせながら月を見て仰ぐ白道に河南は疑念を見せる。月がなんだと言うのだというような感じだ。
それでも白道は満月の夜空を見て、瞳を爛々とさせる。すると煙草をもみ消したかと思えば――近づいてきた。
「な、なんだよ……」
「月が奇麗だと興奮するんだよ。なぁ、――シねぇ?」
身体に触れられてビクつかせる河南は離れようとするが白道から逃れられない。絡めとられるように磔にされてしまいそっぽを向いてしまう。
白道の色気が漂う顔が近づく。河南は密着する身体に鼓動を跳ねさせた。
「な、仲間が……来るって!」
「な~に、来ても良いんじゃねぇの? 見せつけてやれって」
「うんぅ……やぁっ!」
突き放すように手で制せば誰かが入って来た。見られなくて良かったなと安堵する。白道は不満げな表情を見せているが。
塔の上に登って来たのは欄賀であった。
「おやおや、せっかくのお楽しみのときに邪魔をしてしまいましたか」
「欄賀てめぇ……、んなわけねぇ――」
「そうだぜ! セックスしようとしたのによ!」
その瞬間、河南は真っ赤になり白道の胸を叩いた。「いっだぁっ!??」などと胸を抑える白道を連れて河南は俯く。
「それじゃあ見張り頼むぞ。なにかあったら連絡してくれ」
「連絡なんてできないですよ。こちらでなんとかします。――夜のお楽しみを」
意味不明な言葉を発されたが赤面した顔を見せたくなかったのでそのまま白道と共に塔を降りるのだ。
塔を降りてから家路につき、ベッドに項垂れる。このまま眠りたいぐらいだ。
「おいおい、風呂入らずに眠る気かよ。汚ねぇぞ~」
「……うっせぇな。入る気ねぇん……だよ」
目を擦り、涙を拭う無防備な河南に白道は唾を飲んだ。まだ青さはあるものの、色気が滴る河南の肢体に白道はふと隣に座る。
「そんじゃ、俺が脱がして運んでやろうか。そっちの方が良いだろう?」
「んぅ……、そうする」
シャツを脱ごうとする河南の手つきをじっくり見ていくうちに手が止まる。河南は眠たそうだ。しかしこの大きくなった局部を鎮めるためには河南の力が必要である。
白道がボタンを手に取って脱がしていき、デニムもパンツも脱がして風呂場に直行した。そして自分も服を脱いでいき、風呂場に座る河南を見つめる。
素っ裸の河南はもう既に眠りこけていた。
「眠るのは早いぜ、ご主人様。……俺が起こしてやる」
耳元を舐るように吐息を込めてシャワーを掛ける。シャワーは初め、冷水であったので河南がビクついた。
白道はニヒルな笑みを込めながら河南の身体を洗うのだ。
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