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*《初めて》
「し、僕?」
「そ、僕なんだけど?」
煙草を摘まみ上げてライターで火を付けようとする白道に狙いを定めて撃ち込んだ。煙草が飛ぶ。
白道が口笛を吹いた。
「ほぉ~、これまた拳銃が上手い主様だこと。気に入ったぜ」
「てめぇ、俺の前で煙草なんて吸うなよ。――今度はその脳天ぶちかます」
照準を合わせて頭に狙いを定める河南に白道は余裕の笑みでこちらへ向かってきた。何発か撃ち込んで血飛沫が出ることを覚悟したが――白道は無傷であった。
河南は驚愕した表情を見せる。
「おいおい、そんな顔すんなよ。すげぇのはこれからだぜ、主様?」
「主様じゃねぇ! 河南だ」
「じゃあ河南。――俺を受け入れろ」
弾丸を補充しようとした瞬間、白道が襲い掛かるように抱き留められ――ベッドに投げ出された。動こうにも圧倒的な肉体的の差で動くにも動けない。
「なんだてめぇはっ! なんのつもりだ!」
「なんのつもりって……セックスするんだけど?」
「――――はっ?」
素っ頓狂な声を上げる河南に白道は河南の身体を弄りながら話をした。
「俺は100年も仏の道として祀られたウサギなんだよ。だからセックスもできなかったしよ。溜まってんだ」
「身体弄りながら……耳元で喋んな、うぅ……」
男どころか女とも初めての行為に河南は身じろいだ。だが初々しい反応をする河南に白道は悪戯に笑う。
「男にされるのは初めてか? それともその反応だと女も……か?」
「う、うっさい! そういう経験がなくても生きられるんだ!」
赤面して対抗すれば淡い突起を吸われた。身体が反応してしまう河南に白道は満足げな様子だ。
「ほぉ、素質あるんだな河南は。初めてなのに感じるのは偉いぞ、――偉い偉い」
頭を撫でられて鼓動を跳ねさせた。勇ましく男らしい笑みに惚れてしまいそうになる。
だが天邪鬼なせいで手を払いのけてしまう。
「うっせぇ! なにが感じやすいだ、変態! それとなにが関係ある?」
「俺の主様になったからにはセックスするたびに強くなるんだぜ」
「え、どういうことだよ?」
わけがわからないという様子の河南ではあるが局部に触れられて反応してしまう。身体を震わせて興奮してしまう河南に白道は口端を綻ばせた。
「興奮してんのか? まぁこ~んな色男が襲いに来たんだ。そりゃあ興奮するよな」
「……うっせぇ」
蹴りを入れようにも体重差で入れられずにされるがままになっている河南の寝巻のズボンを剥ぎ取り、パンツに手を入れた。
「い、いやぁ……」
「はは、女みてぇな反応するな。――可愛いな」
額にキスをされて硬質な白い髪が肌に触れる。そのままキスの味はどんな味がするのだろうと河南は思った。
「さて、ご奉仕しないとな」
白道がタンクトップを脱ぎだした。
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