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第四章 ③④
この女は、一体、今までどんな生き方をして来たのだろう?自宅に着くまで圭介はずっとその事ばかり考えていた。ラピッドに始末される程だ。人としてまともな生き方をしていたとは思えないが、それでも何故か気になった。
自分の事を棚に上げてよく言うぜと、圭介が16歳の頃に殺したミニシアターに集まっていた奴等が化けて出そうだが、それでもやっぱり疑問ではあった。
ぱっと見だが、五月女マリヤは透き通るような肌にスッと伸びた鼻筋。唇はやや厚めだがそれが返ってこの女の魅力を掻き立てている。
最近では珍しいと感じる漆黒の黒髪。奥二重の瞳は深淵を覗き込んでしまったかのように、その目は大きく、一瞬で魅了され、深い闇の中へと飲み込まれてしまいそうな程だ。
この五月女マリヤという19歳の女は誰が見ても口を揃え美人だというだろう。身長はそんなに高くなさそうだが、少し痩せすぎと思えるほどスレンダーで脚も長い。
立たせたら意外と高身長かも知れない。これで頭も良かったら中高生時代にはクラスや学年のカースト制度のトップに君臨していただろう。
だが少なからずラピッドに目をつけられた訳だから、他人を不幸に陥れるような事をして来たのは間違いない。
だが、この容姿を見る限り、逆に本人は普通に生活していても、勝手に逆恨みを買ってしまっていたという事もあながち無いとは言えなかった。
お世辞ではなく、それくらいの美人だ。だが、そんな美人の19歳の女は自分のこの手によって全身を解体され、鰐達の餌になる。
自宅に着いたらラピッドにこの女の子の詳細を尋ねてみようと圭介は思った。当然、教えてくれる確率は低いが。
そうこうしている内に車は関東圏に入った。
最寄りのサービスエリアに寄り用を足す。小腹が空いたのでこじんまりとしたフードコートでうどんを食べその後で辺りをぶらついた。
土産物屋で色々手に取るが両親は旅行中なので何一つ買わなかった。車に戻ると五月女マリヤは窓ガラスに頭をあてて眠っていた。実際、現状は植物状態に似た感じなのだろうから、眠ってはいないのかも知れない。
ただ外から見たら目は閉じていたように見えたので圭介はそう思っただけだった。
行きは事故渋滞に巻き込まれたが、帰りはスムーズだった。数十分の渋滞はあったが、溜息が漏れてしまうような、渋滞ではなかった。
自宅に着くと、トランクを開け車椅子を出した。予備の酸素ボンベと現在使用中のボンベを車椅子の背の部分に立て掛ける。ゴムバンドで固定した後、五月女マリヤを抱き抱え車椅子に乗せた。
そう遠くない隣家の周りに目を配る。まだ午前中という事もあってか辺りは静まり返っていた。人の気配や視線は全く感じなかった。圭介は車椅子を押しながら小屋へと向かいポケットに手を突っ込んで南京錠の鍵を取り出した。戸を開け、足で押さえながら中へと車椅子を押し込んだ。
明かりをつけてから戸を閉める。タイル床の中央部分まで行くと五月女マリヤを抱きかかえ車椅子から下ろした。
酸素ボンベから繋がっている透明なチューブが身体に巻きつかないよう注意を払いながら五月女マリヤを床に寝かせた。
ゴムバンドを外し、ボンベを車椅子から五月女マリヤの横へと移動させる。このボンベが後、どれくらい使用出来るのか圭介にはわからなかった。
まぁ。酸素が無くなったら付いている計器が動かなくなるだろう。
吉田萌に会った時、その事を尋ねたが「どうせ殺すのですから聞いても意味なくないですか?」と言われ確かになと圭介も納得したのだった。
まぁせっかくだから、2本分の酸素ボンベを使い切ってからこの女は処分するとしよう。床に寝転がせて、初めて全身を見ることが出来た。
五月女マリヤは全身がゴシックロリータのワンピースで覆われていた。ジャンパースカートは膝上で広がりフリルが付いており、丸襟にはリボンが付いている。ニーハイも靴も黒だった。
地肌が白いからかメイクは薄目で紫色の唇はリップなのか、死にかけているせいなのか、圭介にはわかりかねた。
圭介は靴と短い靴下を脱がせた後五月女マリヤの横に膝をつき、身体を半分押し上げた。腰まであるファスナーを下げると両脚を持ち上げワンピースを脱がした。
五月女マリヤはブラジャーをしておらず、小ぶりな乳房があらわになった。ゴシックロリータのファッションに身を包んでいるからか、パンティは子供が履きそうなクマのワンポイントのプリントがされている白いものだった。
それを脱がすと、こだわりなのか、陰毛は剃られてあった。顔を近づけじっくり観察する。ひょっとしたら脱毛しているのかも知れないなと圭介は思った。
圭介は立ち上がり、幼げな裸体を見下ろした。その裸体を見て圭介は赤津奈々の事を思い出した。そう言えば赤津とはいつしか連絡を取らなくなったな。
まだ四国にいるのだろうか。それとも大学や就職などで、四国から出て、別な県にでも出たのだろうか?圭介は腰を屈め、ズボンのチャックを下ろした。勃起したペニスを五月女マリヤの手に握らせる。その手をゆっくりと動かしながら目を閉じた。
SEXの時、女性が目を閉じるのは別な男の事を想っているからだと、本で読んだ事がある。それが正しいとは思わないが、今の自分のように他の事を考えているというのはあり得ると思った。いつしか頭の中では愛し合った赤津の淫らな身体で一杯になっていた。ボヤけた赤津の裸体が頭の中で悶える。圭介は五月女マリヤの手を激しく動かした。
五月女マリヤの腹の上に射精した精子をそのままに、圭介はふぅと息を吐いた。ペニスをしまい小屋から出て行った。
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