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「ただいま~」
私は白瀬智花、23歳の会社員。仕事を終えて、一人暮らしのマンションに帰ってきた。玄関を開けると、すぐに奥の部屋からカシャンカシャンと音がきこえる。
「ただいま、ウララ」
ドアを開けると、ピンクとグレーのコントラストが美しいモモイロインコのウララがケージの中で愛らしく動き回っている。彼女は待ちきれないように、「ただいまただいま!」と元気に叫んでいた。
「ただ~いま! ただいまただいま! ウララ……ウララ、ちゃーん! ただいま! きーけ! きけ! ピチュチュ」
「はーいはい、きいてるよ。ただいま、ウララ」
「ウーララ! お利口さん! ただいま! ピチュン!」
ウララの言葉に思わず笑みがこぼれる。ウララはおしゃべりが大好きで、いつもなにかをしゃべっている。最近は『ただいま』がお気に入り。新しい言葉を覚えるたび、突然しゃべりだして私を驚かせる。
「さてと、リラックスタイムの始まり~♪」
テレビでお笑いのDVDを見ながら、晩御飯を食べるのが私の日課。コンビニで買ってきたパスタとドリンクをテーブルに並べ、テレビのスイッチを入れた。
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