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予想された結果
数日後、山田は川田に試験結果を伝えた。川田はやっぱりなという表情を見せていた。
「なんてことだ。俺は燃え尽きたよ」
「山田、さすがにその点数はないだろう」
「ああ、確かに間違えたさ。でも、あと1問、たった1問だ。その問題の答えが合っていたら30点取れた。実に残念だ」
「見事に毎回完敗だな」
「いや、惜敗だ」
山田は赤点の分かれ道となる3択問題で見事に山が外れ、25点しか取れなかった。試験の平均点は70点でそれほど難しい問題ではないが…。
なぜ3択問題が試験の分岐点になるのか。それは山田にとって解ける問題が3択問題しかないからだ。筆記問題は対象外。確実な3択問題に山を張り、点数を稼ぐ戦法が山田のやり方だった。しかし、毎回あと少しのところで詰めが甘い。山を張るべき問題を完全に間違えていた。授業は100%出席している山田と言えども、この点数では単位が取れないのだ。
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