奇妙な邂逅

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奇妙な邂逅

言われた通りだ… 京都は暑い… 我が子達は流石毎日通勤しているだけに、悔しいけど脱帽 一時期京都府民だったから、ある意味では「ただいま」だけど JR京都駅からあまりの暑さに負けてタクシーで西本願寺さんへ向かう 有り難い事に?ちょうどご住職の説話が始まったようで、正座は…出来ないので用意されたパイプ椅子に掛けさせてもらって話を聞く 今までに「料理」「整理」して来た命の冥福を祈りながら …まぁ恨まれている事はあれ、許される事はなかろう 説話を拝聴した後は、大谷本廟への無料送迎バス乗り場…え?なくなったの?あの悪名高い市バス待たなきゃなの? 仕方なく再びタクシーを停め、ご先祖様達に挨拶する為大谷本廟に向かう 降りると汗が噴き出すが本廟に入ってしまえば…肌寒くなるほど涼しい 名神高速道路を横目に見ながら、順路に沿って進んで行く 「あら、貴方も来たの?」 ふいに声が掛かる そちらを見やると、おや珍しい人が、相変わらず大きめのトートバッグを肩から提げて立っていた 白のブラウスにダークグリーンのノースリーブワンピ姿で 見紛うはずもない、元嫁だ アロハシャツにカーキのチノパンの僕とは違う… ええ、まぁ… と、僕が右手に杖をついているのを見ると眉を顰めて さり気なく、今や冴香さんの指定席になっている、僕の左側に立ってくれた 冴香さんとの時のように完全に寄り添うわけではなく、気持ち離れているのは…彼女なりの気遣いなのだろう
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