『異世界へようこそ』

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「彼は異世界転生を何度もして、色んな人を落としてハーレム状態なの。そういうゲームの世界に来たのよ? あなたが彼のスマホを盗み見しているのがバレないように、私が言うのが役目なのよ?」 私は彼氏に浮気された……と思っていた。 でも、それは違ったみたい。 「私はね、彼のスマホにハッキングしてこのアプリを作ったのよ」 「え? ハッキング?」 そんなことができるんだ……。 いや……でも……そんなことができるなら……。 「そんなこと、あんたには関係ない! 早く帰しなさい!」 私は声を張り上げた。 「嫌よ? だって、これから彼とここで暮らすんだから」 「あんた、何なの?」 「私? 私は、あなたの彼氏を落とすゲームを作った者よ」 すると、私のスマホが勝手に操作された。 『異世界へようこそ!』 アプリが起動した。 「え?」 なんで? なんで勝手に動くの? いや…これは…このアプリは 「私があなたの彼と一緒になるために、必死にデータを集めて作ったゲームなんだから!あなたに邪魔させない!」 私のスマホが勝手に動く。 強制的に電源を落とそうとしても、全く落ちない。 そればかりか、勝手にアプリが動き出し、私が集めたデータもすべて回収されてしまった…。 「ふふふ...ww彼氏さん、異世界転生も楽しかったでしょ?課金も100万くらいして、このゲームを作るためにありがとうね」 まさか…ゲームを作るために、お金をつぎ込んでいたの??? 『異世界へようこそ!』 ゲームの世界なら、一生死ぬこともない…。 年を取ることもない…。 ずーっと、一緒にいられる!! 「さて、次はこの人のデータを転送しますか…」 私はゲームの世界に吸い込まれた…。
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