0人が本棚に入れています
本棚に追加
「なんか、王家からの使者の人が来てるみたいです。とりあえずジョンを呼べって言ってて」
「それは大変だ。ジョン、今すぐ行きなさい」
両親に言われ、俺は渋々村長がいる役場へと向かった。役場までは歩いて五分ほどで着く。
「村長〜。俺に用事っすか〜?」
役場に入ってそう言うと、仙人みたいな長い白髭を伸ばした長老が「待っておったぞ」と椅子に座りながら言った。その隣には王家からの使者の人がいる。平民の俺らと違って服の生地から何から高級感漂ってんな……。
「あなたがジョン・スミスですか?」
王家からの使者に訊かれ、俺は「はい」と答える。使者の人、メガネかけててすごく頭良さそう。あと神経質そうだな。
「単刀直入に言います。勇者となり、魔王城へ行っていただきたいのです!」
「はい?」
勇者って選ばれし者しかなれない職業じゃねぇか。俺、剣の才能なんて皆無なんだけど……。
「何で俺が勇者なんすか?あと、魔王城に行かなきゃいけない理由も教えてほしいっす」
最初のコメントを投稿しよう!