村人、勇者になる

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「なんか、王家からの使者の人が来てるみたいです。とりあえずジョンを呼べって言ってて」 「それは大変だ。ジョン、今すぐ行きなさい」 両親に言われ、俺は渋々村長がいる役場へと向かった。役場までは歩いて五分ほどで着く。 「村長〜。俺に用事っすか〜?」 役場に入ってそう言うと、仙人みたいな長い白髭を伸ばした長老が「待っておったぞ」と椅子に座りながら言った。その隣には王家からの使者の人がいる。平民の俺らと違って服の生地から何から高級感漂ってんな……。 「あなたがジョン・スミスですか?」 王家からの使者に訊かれ、俺は「はい」と答える。使者の人、メガネかけててすごく頭良さそう。あと神経質そうだな。 「単刀直入に言います。勇者となり、魔王城へ行っていただきたいのです!」 「はい?」 勇者って選ばれし者しかなれない職業じゃねぇか。俺、剣の才能なんて皆無なんだけど……。 「何で俺が勇者なんすか?あと、魔王城に行かなきゃいけない理由も教えてほしいっす」
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