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と、突然に周囲の松明の炎の明かりが消失した音がした。
きっと、冷たくて強い隙間風のせいだとチェシリスは思った。
「ここにいてはいけない。さあ、出口を探しにお行き」
小さな声が、厳しいがどこか優しくそう頭の中で響いた。チェシリスは勇気を出して少し居住まいを正すと、そのままカタコンベの出口を探すために奥へと一人歩いた。
カタコンベの地面には、普段にはないはずの頭蓋骨が所々に散らばっていた。奥へ行けばいくほど、頭蓋骨が増えてきたのか、チェシリスは躓いては、たたらを踏むことが多くなった。
冷たい隙間風も奥へ行けば、次第に身を切るような冷たさを覚えた。
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