日常

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日常

「本当、委員長って笑わないよね〜」 「何考えてるかわかんないみたいな」 わかってる。面白いって心で思っても顔に出ないから。口で伝えても、嘘だ、とからかわれるぐらいなら、別に友達なんかいらない。 「如月さん。ネクタイぐらい、しっかり締めて、ピアスも、つけるなら休日だけ。」 「んだよ、別に誰にも迷惑かけてねぇじゃねぇか。」 「指導する先生側に迷惑ですよ。」 このヤンキーは、如月弓弦いつも授業はサボるし、身だしなみが整っていない。典型的な不良だ。 「というか、いつまでもごたごた文句ばっかし垂れてないで直してくださいね」 「はぁぁ?めんどくせぇよ」 いつもこの調子だ。こいつなんていなければ、俺の学生生活は充実していたはずなのに。 「俺も面倒くさいので、明日には直してください。」 どうせ、直ってないんだろうが、注意するだけで、先生からの評価は上がる。まぁ、それだけでも幸いか。 放課後、友達もいない俺は、家に帰って勉強や、夕飯を作ることが多い。 今日は、肉じゃがを作る予定だったが、材料が足りず、スーパーまで行く羽目になった。 家の近くのスーパーは、都会のスーパーに比べて少し小さい。そのせいで生徒に会うことが多々ある。 その度に、こう言われる。 「うわぁ、それっぽ。」 「ね、委員長だしね」 「気楽に生きようと思わないのかな」 特に尖った言葉ではないが、委員長だし、という言葉が嫌いだ。誰だって、夕飯ぐらい作るだろ。と思うし、委員長だからなんだって。高一で一人暮らしだから、夕飯は俺が作るし。 たまにこういうことを聞く 「たまにはコンビニ弁当でもよくね」 栄養が……って、そんなことを言うから、委員長っぽい、って言われるのか。 なかったのって、じゃがいもと、牛肉だったけな…… よさそうな牛肉を探していると、隣から聞き覚えのあるような、いや、飽きるほど、嫌と言うほど聞いたことのある声が聞こえた。 「風邪の時って……」 と、ブツブツ一人で呟いてる、ヤンキーこと如月がいた。 「え、委員長じゃん。」 やば、なんか言われんの面倒だし、逃げようと思って、少し早歩きで、進んだら、グッと手首を掴まれた。面倒だ。 「なんでにげんの?」 「いや、面倒な奴ですし。」 「そんなこと言うなよ……てか委員長料理できる?」 「まぁ、人並みには。それがどうしたんですか?」 「俺のお袋のために料理教えてくんね?」 「は?」
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