1.とかく男の子というものは

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1.9 この親にして 母親が息子の通っている学校の先生に呼ばれて、学校に出向く。 「お母さん、あなたの息子さんにはほとほと困ってしまいます」 先生は母親に告げる。 「ええと、何かうちの息子がしでかしましたでしょうか」 「しでかしたなんてものではありません。今日息子さんが学校に着てきたものをご存知ですか」 「いいえ。どんなもの着てましたか」 母親は思い当たらず不思議そうに答える。 「いいですか。お子さんは男の子ですよね」 「ええ」 「レースのカーディガン、フリルのスカート、それからピンクのパンティストッキングをつけてきたんですよ」 先生は呆れたように両手を広げる。 「あらまあ、そうでしたか。でも私のせいではありませんよ。今まで何度も注意しているんです。お父さんのものを黙って着ていっちゃだめよって」
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