9人が本棚に入れています
本棚に追加
2.13 あなたは誰?
ジョージは立派な口ひげを生やし、いつも友達に自慢するほどであった。
ただ、結婚して4年が過ぎ、あっちのほうも最近ご無沙汰であることを心配し、ことあるごとに友人に倦怠期かなとぼやくことがあった。
ジョージの悩みを聞いた友人は、「そうか、そうだな。マンネリというやつだな。俺もそうだったがな。たまには刺激が必要だ」と答える。
「そうか、刺激か。ところで何かいい考えがあるかな」
「うん、そうだな。お前のそのひげ剃ってみたら。奥さんも新鮮味を感じ、驚くかもしれんし、いい刺激にもなるだろう」
ジョージは、その日仕事で遅くなったが、帰りに行きつけの床屋でひげを剃って帰宅する。
妻はすでにベッドで寝ていたが、ジョージはその横にもぐりこむ。
その気配に気づいた妻は、寝ぼけ眼で「あら、あなた、お帰り」と言ってキスをしてきた。
そしてすぐに相手にひげがないことに気付くと、「あら、まだいたのケント。もうすぐうちの人が帰ってくるから、急いで帰って」と告げるではないか。
最初のコメントを投稿しよう!