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1.6 理科の授業
「温度が上がると物質は伸びる、広がる、大きくなるという性質がある。反対に冷たくなると縮む性質がある」
小学校の理科の先生が、物質の膨張と収縮の説明をしている。
「そうなんですか」
生徒が答える。
「うむ。君たち、これの実例で何かあるかな。知っている者は手を挙げて、答えて」
先生が生徒に命じる。するとひとりの女の子が、手を挙げて答える。
「先生、うちの近くを走る電車の線路が熱くなって曲がってしまったと、お父さんが言ってました」
「お、そうだな。鉄の線路も温度が高くなると伸びてしまって、曲がることがあるな。普段はそれを予測して、線路のつなぎ目は数センチ隙間が空いているのだが、予想以上に熱くなったしまったんだろうな。困った出来事だな。ほかに何かあるかな」
先生が教室を眺める。すると一人の男の子が自信なさそうに手を挙げる。
「お、太郎君、何か知っているかね」
「ええ、先生。ぼくのあそこなんですが。洋子ちゃんが熱い視線をぼくに送ってくると大きくなります。反対に冷たい目で見つめられると小さくなってしまいます」
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