決着

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千晶から渡された袋の中身は、俺がプレゼントしたネックレスとピアス。 「返すね。じゃあ。さようなら」 そう言って千晶は出て行ってしまった。 千晶の顔を見て謝ろうとしたけれど、謝るなと言われた。 千晶のマンションに置いてあった物は全て返され、 うちにあった千晶の物も全てなくなってしまった。 人との別れって突然であっけないもんだなと、千晶から渡された紙袋を抱きしめている事も忘れて玄関に立っていた。 でも、これで良かったんだ。 2人を愛するなんて無理だったんだ。 どちらかを、いや2人を傷つける事になってしまう事に気が付かなかった俺がバカだった。 しばらくすると、どこかで携帯が鳴っている。
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