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朝を迎える頃、私は彼の逞しい腕の中に抱かれていた。目を覚まして隣に彼がいる、眠っている顔を見ると愛おしさと好きの気持ちが溢れて軽く口付けするつもりで唇同士で触れるとそのまま抱きしめられ口付けされ、覆いかぶさってくる彼と目が合い恥ずかしさで目を瞑る。
「最高の目覚めだな、澪のキスで朝を迎えられるとは。俺の人生もまだ捨てたもんでは無いな」
「大袈裟ですよ……でも嬉しい。祥吾さんにそう思って貰えるなんて」
「本当にそう思っている。澪ほど良い女を俺は知らないからな、気品があって優しくて少し抜けているところもあるがそこがまた可愛いと思うしな。酒に弱いところも俺に甘えてくる澪も、本当に良い女だ。手離したくない」
そんな事言われたら本気になる、私も彼の事を好きだからこのまま付き合いたいと思っていると……彼の携帯が振動する。でも確認しようとしない……。
「祥吾さん、電話……じゃないの?」
「……いいんだ。そのままで」
「でも……会社とか重要な案件だったら大変よ」
私は起き上がって彼の携帯を見る、そこに表示された名前は……。
「……ねえ、祥吾さん。……妻、って何?」
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