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私は驚きを隠せないでいた、彼が結婚している既婚者だったなんて。でも驚きはしたけど笑みが零れる。
「そのままだ。俺は結婚している。だが妻の事を愛しているとか可愛いとか思った事は一度もない。俺の妻は俺の両親に可愛がられていてな、あいつらが勝手に婚姻届を出して俺を既婚者にしたんだ。毎日遅く帰るのもあいつらと顔を合わせたくないからだ、だが俺は今真実の愛を見つけた。お前だ澪。俺はお前と結婚したい……辛いんだ毎日……」
そう言っている間にも携帯には着信が一〇〇件を超える通知が来ていてメッセージもずっと送信されている。頭を抱えている彼を見て私は彼の携帯を手にしたまま近寄り、シーツで胸元を隠し彼に寄り添って写真を撮った。
「澪……? 何をしている」
「ねえ祥吾さん……望まぬ結婚をさせられたのなら、私が貴方を生き地獄から助けてあげる。私が好き? 私を愛してる?」
「もちろんだ、澪が好きだ。愛しているよ」
「ふふ、その言葉が聞ければ満足。私が……悪者を退治してあげる」
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