マルタの鷹

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マルタの鷹

 コレクターは目の前に現れた怪物と向き合いながら、過去に集めた数々のアイテムを思い返していた。だが、今回はアイテムだけでは解決できない。**胴体**だけで動く怪物の迫力に、彼の冷静さが試される。 「これで終わらせる!」コレクターは叫び、手元のナイフに特殊な粉末を振りかけた。その粉末は、かつて遠い土地で手に入れた希少な**ターメリック**だった。ターメリックは、魔法的な力を引き出す作用があるとされている。  ナイフが黄金に輝き、コレクターは素早く怪物に向かって突進した。胴体の怪物が彼を捕えようとした瞬間、コレクターはナイフを正確に投げつけた。ナイフは怪物の中心に突き刺さり、激しい光を放ち始めた。  怪物は苦しむようにのたうち回り、その巨体が徐々に崩れ落ちていく。その瞬間、コレクターの心の中に一つのイメージが浮かんだ。かつて、彼が集めた伝説的なアイテムの一つ…**マルタの鷹**の姿だった。かの鳥は、闇と光を統べる力を持つと言われている。 「マルタの鷹か…あれが手元にあれば、今頃こんな苦労はしなかっただろうな」と彼は皮肉を込めて呟いた。  しかし、そのとき、怪物が倒れたかと思いきや、地面に何か奇妙な音が響き渡った。コレクターが目を凝らすと、怪物の倒れた胴体の間から何かが這い出してきた。それは**串刺し**にされた動物たちの**死肉**だった。 「何だこれは…」亜子が恐怖に声を震わせた。 「これは…呪いだ」コレクターが冷静に言った。「この地に眠る古い呪いが、怪物を通じて表に現れたんだ」  そのとき、背後から轟音が鳴り響き、巨大な**熊**が森から姿を現した。熊の目には狂気が宿り、まるで呪いの力に支配されているかのようだった。 「今度は熊か…」コレクターは疲れたように言いながら、再び戦闘の構えを取った。 「これ以上無駄な戦いは避けたいわね」亜子が言い、魔法のエネルギーを集め始めた。「でも、私たちにはもう時間がない。早く終わらせるしかないわ」  その瞬間、コレクターの頭に一つの考えが浮かんだ。彼は熊の方へ向かって歩き出し、その目をしっかりと見据えた。 「解雇だ…」彼は静かに熊に向かって言った。  熊が一瞬動きを止めたかと思うと、その場に倒れ込み、動かなくなった。コレクターが以前に出会った賢者から教えられた、ある古い言葉の力が効いたのだ。 「何をしたの?」亜子が驚きの声を上げた。 「ただの一言だよ。呪われた存在には、時に一番単純な言葉が効果的なんだ」コレクターは微笑んだ。 「でも、まだ終わっていないわ。まだ**マルタの鷹**を見つけなければならない」亜子が続けた。  コレクターは頷き、熊が倒れた場所のすぐ横に何かが埋められているのを見つけた。それは古びた箱だった。彼は慎重にそれを取り出し、蓋を開けると、中から金色に輝く鷹の彫像が現れた。 「これが…マルタの鷹だ」コレクターはその美しさに圧倒されながら言った。 「これで、すべての謎が解けるはずよ。だけど、この先にはまだ大きな試練が待っているわ」亜子が警戒を強めながら呟いた。  コレクターは鷹を手に取り、新たな冒険が始まろうとしていることを感じていた。そして、その先にはさらなる秘密が隠されているに違いなかった。
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